個人重奏コンテストを1週間後に控えたある日。
数日前にレッスンに行った学校(遠い)の生徒からメールが来た。
「先生、高いCis,Dが出にくいです・・・」
高いCis,Dが出にくい原因は、ざっと思い浮かぶだけで5個以上ある。
果たしてどれか。
とりあえず音を聞かないとなんとも言えないので、LINEのテレビ電話機能で診断開始。
(ほんと便利な時代になりましたね〜)
電話を取るとそこには・・・・
後輩に電話を持たせて撮影しているのだろう、プルプルと震える画面の奥に悩める生徒がいた。笑
こんな時に大活躍のiphoneホルダー
まずはCis,Dを吹いてもらう。かなり圧力をあげて、ようやく細い音がでるという状態。
細かく指示を出して、発音に関係するネジを回させる。
・・・変化なし。戻して、可能性のある別のネジを試す。
オーボエは口頭でネジの位置を伝えるのも一苦労・・・でも、大丈夫。
そう、テレビ電話ならね。
ネジ関係を一通り試し終わったところで、今一度話を聞いてみると、どうやらレッスンの次の日から’急に’出にくくなったとのこと。
そこで以前薄くヒビが入っていた部分があったのを思い出し、写真にとって送ってもらう。
そして送られてきたのがこちら↓
画像中央部のヒビ。トーンホール3つに跨っている。
笑えないくらい割れてる・・・
いや、これダメだろ笑
とりあえず原因がわかったことを伝えて、次の日、修理兼レッスンになりました。
(トーンホールにかかる割れは処置が難しいので、本当は楽器屋さんに即送ってもらいたいです。)
次の日
1時間30分ほど車を走らせ、学校へ向かう。
静岡県広すぎ〜と思いつつ無事到着。
楽器を拝見して、息漏れがないかチェック。上管の穴を全部塞いで、リードソケットから息を吸う。密閉されていればOK。
シューシューと息が入ってくる・・・
これダメだろ。笑(2回目)
分解して掃除をしてから、低粘度の接着剤で埋めます。
いつも使ってるやつが切れたので、今日は別のもので代用。
オーボエ吹き御用達のアロンア●ファ
乾くのを待つ間に、イングリッシュホルンのレッスンをして、30分後組み立てて試奏。
・・・うん、バッチリ治ってる!
本来は埋めたところを綺麗に整形して、修理のあとがわからないようにするとベストですが、時間がさらにかかるのでとりあえずこれで完了。
生徒からもOKが出て一安心。
この時期は本当に割れが多いな〜、皆様もお気をつけを!
割れたまま放置しておくと、取り返しつかなくなりますよ〜。
自分の楽器はもちろん、学校の楽器も将来の後輩のために大切に扱いたいですね。
※ 後日、この学校はオーボエとファゴットの木管四重奏で重奏コンテストに出場して、見事金賞を頂きました。去年のアンコン県金賞に続き快挙です。おめでとう〜!